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会社の裏庭のビワの枯葉の上に、産み落とされていた、ウズラの卵ほどの大きさのうっすらとブルーの卵。 上を見れば、電線に一羽のヒヨドリが不安そうに、立ち去らずに僕をにらみつけている。 ここは巣作りによさそうだとおもっちゃのかなー。
こんなところにうんじゃっても、困ります。 毎日、挿し木や植木を見に来るからね。
卵をかえす機械を買おうかとも思ったけど、ヒヨドリのひなを24時間世話をするほどの時間的余裕は無い。 社員にも、ヒヨドリの孵化に興味が無いか訊いたけど、特に手を挙げる人もいず、毎日この卵を見るのがつらい。
なぜ、お前は、生まれてくるはずの命を見殺しにするのか、という自責の念に駆られる。 なぜ、お前はウイグル人を見殺しにするのか、という声も同時に聞こえてきてさらにつらい。捨て猫を見て見ぬふりをして通りすがってしまった遠い昔の自責の念も反響として聞こえてくる。 これで、毎日がかなり悲しい。苦しい。
電気毛布の上にデモ置いてあげれば孵化するのだろうか、とか、どうせ毎日、8時間以上も椅子に座ってパソコンの前に座っているのだから、膝の上に載せておけば孵化するのではないだろうか、とか、考えたりして、仕事が手につかない。
あー、どうにか助けてあげられないだろうか?
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